不惑草紙

編集者、ライター。紙とネット、リアルとバーチャルを行き来する日々のあれこれ。

情報サイトを立ち上げ、1年経って分かったこと

 

サイトの収益が上がらなかった原因を考えてみて、現時点での結論。

 

「ネット上で何かを授けてあげよう、お得な情報や人が欲しがるノウハウは高く売れる」と思い込んでいたから。

 

これに尽きる。ネットの本質を見誤っていたのだ。


確かに有料会員向け情報サービスや、ネットを入り口としたサロンで成功しているところもあるが、むしろ例外と考えた方がいい。ネットの最大の利点は情報がオープンなことと、個々人の体験(成功・失敗)や知識を集めて活用できるところにある。現状では投資や保険、不動産、法律などの分野は専門家の独壇場で、ネット上でも法律家が自ら情報サイトを運営したり、お金のプロが素人からお金を取って、お金の殖やし方を教えたりしている(何という皮肉)。

 


実社会で専門家によるサービスは無くならないだろが、ネットでは専門家が情報の非対称性を利用して儲ける余地は狭まってくるだろう。今まで専門書を読むか士業の先生に有料で相談しないと分からなかったような知識やノウハウが素人の間で共有されてきている。

 

 

中には間違った情報も混じってくるだろうが、事実誤認や間違った解釈に対し黙っていられないのが専門家の常。掲示板に突っ込みを入れたくなるものだ。自ら飯の種をタダでばらまいているとは知らずに… 素人も互いに情報交換したり、実体験から学んだ教訓などを教えあったりして向上する。

 

 

こうしてネット上では玉石の「石」が取り除かれ、集合知が形成されていく。

 

 

ただし、集合知を形成していくためには参加者の読み書き能力がある程度高く、専門家が適切な助言をする場を提供する必要がある。その受け皿を作ることができれば、情報サイトとして成立するだろう。

 

 

自分が運営するサイトの修正点は見つかった。サイトの改善が成功した暁には、それまでにやったことをすべてオープンにしたい。