不惑草紙

編集者、ライター。紙とネット、リアルとバーチャルを行き来する日々のあれこれ。

Amazon・Kindleとブックオフ

 

Amazonで古本が安価で買えるようになって久しい。そこへきて最近は紙の本と同じ内容の電子書籍「Kindle本」までセールを始めた。Kindle本は製本代や流通コストがかからないため、通常は紙の本より安い。それが最大60%以上オフになるという。

 

このKindle本のセール。Amazonと出版社が組んでやるのだから、とうとうここまで来たか、という感じだ。再販制危うし。例えば角川書店が安売りフェアを期間限定でやっている。

 

タイトルとKindle価格(カッコ内は紙の本との比較)の一例を挙げると

 

新訳 道は開ける            648円(17%OFF)

アルゴリズムが世界を支配する      840円(51%OFF)

私の奴隷になりなさい 檀密写真集 濃密 1755円(46%OFF)

 

カーネギーの「道は開ける」は古典の部類で紙の本はもともと安いので割り引き率が小さいのだろう。檀密の写真集は約半額で、電子版特典付き。好みの問題があるのであえて論評は避ける。

 

新しい本が半額程度で買えるとなると、新刊を2、3割引きで売っているブックオフなどの古本屋にとっては脅威となるだろう。もちろんセールをやるのは電子書籍で期間限定、出版社も限られている。

 

電子書籍が普及しセールが広まると、新刊本をブックオフで買っていた人が電子書籍に流れるかも知れない。私はブックオフをよく利用するが、Kindle本の安売りで欲しい本が安く売られていたら買ってみたい。

 

神保町や商店街の片隅にたたずむ、珍しい本を置いた古本屋以外は、数年もすれば姿を消すかも知れない。