不惑草紙

編集者、ライター。紙とネット、リアルとバーチャルを行き来する日々のあれこれ。

なんとか男となんとか女

 

鮫肌男と桃尻女

 


十数年前の映画のタイトルだったと思うが、観たことはない。浅野忠信が主演しているらしい。雑誌(ぴあだったと思う)でこのタイトルを目にして以来、ふとした時に意味も無く「鮫肌男…」というフレーズが頭に浮かんくる。

  

 

どうやら、日本人は○と○(菊と刀)、あるいは●と●と●(部屋とワイシャツと私)といった題が印象に残りやすいようだ。

 


この3連休にツタヤでDVDを5枚借りて観た。内訳は米国映画2本、米国TVドラマのスピンオフもの1本、スペイン映画1本、邦画1本。洋画はどれも論評するほどの出来ではなかったので割愛。

 


特筆すべきは邦画「駆込み女と駆出し男」(大泉洋主演、助演が戸田恵梨香満島ひかり)。江戸時代後期が舞台の歴史モノ。劇作家井上ひさし原作「東慶寺花だより」を基に、「クライマーズ・ハイ」などを手がけた原田眞人が監督を務めた。台詞回しが早く、文語体が混じっているため聞き取りずらいとこともあったが、大泉洋の語り口が軽快、脇を固める戸田恵梨香満島ひかりの演技派若手女優の好演が光った。

 


映画は主演・助演、原作者(または脚本家)、監督の三者が揃えば名画の可能性が高いが、今回はほぼ、タイトルだけで手に取ってしまった。たまには直感だけで作品を選ぶこともいいかも知れない。

 

 

時間があれば、「●と●」と題した映画がどれくらいヒットしたのか調べてみたい。

 

 

 

 

 

 

情報サイトを立ち上げ、1年経って分かったこと

 

サイトの収益が上がらなかった原因を考えてみて、現時点での結論。

 

「ネット上で何かを授けてあげよう、お得な情報や人が欲しがるノウハウは高く売れる」と思い込んでいたから。

 

これに尽きる。ネットの本質を見誤っていたのだ。


確かに有料会員向け情報サービスや、ネットを入り口としたサロンで成功しているところもあるが、むしろ例外と考えた方がいい。ネットの最大の利点は情報がオープンなことと、個々人の体験(成功・失敗)や知識を集めて活用できるところにある。現状では投資や保険、不動産、法律などの分野は専門家の独壇場で、ネット上でも法律家が自ら情報サイトを運営したり、お金のプロが素人からお金を取って、お金の殖やし方を教えたりしている(何という皮肉)。

 


実社会で専門家によるサービスは無くならないだろが、ネットでは専門家が情報の非対称性を利用して儲ける余地は狭まってくるだろう。今まで専門書を読むか士業の先生に有料で相談しないと分からなかったような知識やノウハウが素人の間で共有されてきている。

 

 

中には間違った情報も混じってくるだろうが、事実誤認や間違った解釈に対し黙っていられないのが専門家の常。掲示板に突っ込みを入れたくなるものだ。自ら飯の種をタダでばらまいているとは知らずに… 素人も互いに情報交換したり、実体験から学んだ教訓などを教えあったりして向上する。

 

 

こうしてネット上では玉石の「石」が取り除かれ、集合知が形成されていく。

 

 

ただし、集合知を形成していくためには参加者の読み書き能力がある程度高く、専門家が適切な助言をする場を提供する必要がある。その受け皿を作ることができれば、情報サイトとして成立するだろう。

 

 

自分が運営するサイトの修正点は見つかった。サイトの改善が成功した暁には、それまでにやったことをすべてオープンにしたい。

 

 

 

 

コンビニのマルチコピー機でこんなこともできた

 

去年の夏、安保法案に反対する学生グループ「SEALDs」のデモで、参加者が手にしていたプラカード。これをコンビニで印刷できるようにした話を聞いて、これは面白いと思った。仕組みは簡単。ウェブサイトにプラカードの見本とID(予約番号)が載っていて、コンビニのマルチコピー機でそのIDを入れて、大きさを指定してお金を払ってスタートボタンを押すだけ。

 

 

社会保険などの公的な申請書もコンビニで印刷できたら便利じゃないかと思って調べたところ、あったので試してみた。中小企業で働く人やその家族が入っている健康保険「協会けんぽ」の支給申請書。例えば高額医療費支給申請。大きな病気やけがなどで治療費が何万円もかかった時に後から申請すると、治療費の大半が戻ってくる制度。大企業のサラリーマンや公務員は、勤め先が勝手にやってくれるので関係ないが、中小企業の従業員などは自分で申請しないとお金が返ってこない場合がある(なんという不平等)。

 

 

協会けんぽ全国健康保険協会)のウェブサイトを開き、高額医療費支給申請書に割り振られたID(数字)を調べておく。スマホがあれば、画面を見ながらコンビニの端末で操作できる。

 

⇩ こんな感じ

 

 f:id:miyaakun:20160109184741j:plain

 

f:id:miyaakun:20160109185001j:plain


これから役所などにも、こうしたサービスが広がるだろう。



 

大都会で一銭も使わずに健康・文化的な生活を送ってみた

 

都心で現金を一円も使わずに健康・文化的な一日を過ごすことは可能か?

 


本日、ふとこんな考えが頭に浮かび実行してみることにした。まず、財布の中ににあるポイントカードをあらためてみた。するとセブンのナナコが数千ポイント、TSUTAYAのティーポイントが数百ポイント、ブックオフのポイントも1000ポイント近くあった。

 

 

ティーポイントはもったいないのでもっと貯めることにして、昼食はナナコで弁当を買う。ブックオフでポイントを使って古本を購入することに。

 


はて、移動はどうするか? 交通系ICカード(スイカ)を使うのは現金を使うようなものなので気が引ける。そうだ、自転車で移動しよう。ということで昼間は秋葉原ブックオフにチャリを飛ばし「最後の宦官秘聞 ラストエンペラー溥儀に仕えて」(NHK出版 定価2400円、帯付きハードカバー、状態良し)を510円で購入。帰りにセブンーイレブンのロコモコ丼(500円)をナナコで決済。

 

 

現金を使わないで1日を過ごすと、すごい得した気分になる。無駄にはしご酒をして終電を乗り過ごし、タクシーで帰る愚を犯した後の精神的、肉体的ダメージと比べると天と地ほどの差。

 

 

これまで節約や貯蓄とは無縁な生活を送ってきたが、倹約は浪費に比べてはるかに得られるモノが大きいと感じられた一日だった。

 

 

次はポイントも含めお金を一切使わずに、一日を有意義に過ごす挑戦をしようと思う。

 

 

 

デジタルデトックス

 

今週のお題「今年こそは」にピッタリはまる出来事があったのでアップ。

 

きのうは仕事が終わると、そそくさと六本木に直行。日比谷線を降りて向かったのは、キャバクラではなく、ミッドタウンタワーの7階。六本木の交差点から東京タワー方面と正反対に歩いて行くと、左手に煌々と光る楽しそうなお店の看板。

 

f:id:miyaakun:20160107183234j:plain

 

 

横目でネオンを見やりながらも、断腸の思いで回れ右して信号を渡る。ルビコン川の決断だ。すると目の前に現れたのは、東京ミッドタウン。奥の高いビルがミッドタワー。

 

f:id:miyaakun:20160107185357j:plain

 

 

エレベーターを降りると、「夜の読書館」の案内があり、ここが今回の目的地。怪しげな置物を見ていかがわしい事を思い浮かべたあなたの心は汚れている。

f:id:miyaakun:20160107185849j:plain

 

ここは詩人の菅原敏さんが「館長」を務める読書館で、第1週水曜日の夜6時30分から9時45分まで開いている。入場無料のうえに、当日は館長自らドリップコーヒーをふるまっていた。


事前予約不要、スマホなど電子機器の電源を切り、静かにしているのがルール。チェロの生演奏が心地よく響く中で、20人ほどが思い思いに館内の書籍や自分で持ち込んだ本を読む。私は館内にあった本を二冊手に取り、終始リラックス。もちろん、アルコールをー滴も口にせず家路を急ぐ。


「今年こそはアフターファイブを充実させる」という目標に向け、三日坊主にならないことを誓いつつネオン街を後に・・・


館内で読んだのは以下の本たち



 

 


 

 

 

 

 

 

 

都心のパワースポット(最終回)


都内のビルの谷間にひっそり佇む神社の話、最終回。


数年前から参拝者が激増した神社を観察していて、「ビジネスに役立つヒントがあるな」と思ったので、以下にまとめ。


店舗商売の場合、立地と佇まいは重要。この神社は、地下鉄4線3駅が利用可能ですが、いずれの駅からも、5分〜10分かかる。決して便利な場所にはない。


にも関わらず人が集まるのは「七福神」巡りの順路に組み込まれているから。地元自治体や有名百貨店なども全面的に後押しして、PRに余念がない。


戸建て住宅ほどの大きさの社殿が、周りのビルに挟まれながらも、凛々しい姿を現しているところが、神秘的。


戦地に赴いた兵隊が生還したとか、戦災を免れたとか、歴史と共に物語性がある。それが口コミで広まった。サイトの投稿を覗くとよく分かる。


つまり、店構え、立地、関係各方面とのタイアップ、物語性、有難味がすべて揃っているということ。


飲食店や物販、サービス業と唯一異なるのは、商品の善し悪しは関係ない点だけか。


人気神社というのは、実店舗には集客の参考になることがいっぱいだった。


今週のお題「年末年始の風景」

都心のパワースポット(その2)

 

強運、厄除け、商売繁盛で賑わう神社についての続き。

 

前回、6,7年前までは初詣で客はまばらだったと書いたが、5年前の震災を境に、潮目が変わったのだろう。世界的にも天災やらテロやら物騒になってきた。江戸時代末期のお陰参りじゃないけれど、なんとなく神社詣でをするのがはやっていることとも関係があるのだろう。

 


社会人になりたての頃、とある経営コンサルタントの先生と話す機会があった。その頃は無知であることを恥とも思っていなかったので、単刀直入に、「経営コンサルタントの仕事ってなんなんですか?」と聞いてみた。


師曰く 「あのね、●●厄除け大師ってあるでしょ」

私   はぁ

 

   「元々は本厄しかなかったんだけど、前厄と後厄もつけたら3回厄払いやることになるよね」

私   まさか(と心の中で叫ぶ)

 

   「売り上げが3倍になる方法をコンサルタントが指南したということ」

私   なるほど、よく分かりました

 


話の真偽はともかく、経営コンサルタントというのは顧客の売り上げを増やす知恵、ノウハウを売っているのだということが分かった。

 

 

脱線気味になってきたので、次回にまとめをしてみたい。

 

 

※「今週のお題」 年末年始の風景